バカニュース自治スレ

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1バカは氏んでも名乗らない2017/11/04(土) 23:44:14.73ID:???
           こ の 顔 に ピ ン と き た ら

                     ,.,.,.,.,.,.,.,.,__
                   ,;f::::::::::::::::::::::::::ヽ          
                   i/'" ̄ ̄ヾ:::::::::::i          
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                   { (__..::   / ノ′            
                   ', ==一   ノ             
                    !___/
                     
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473バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 04:43:23.76ID:???
無縁仏のあった場所は現在では直線道路になっていて、お墓はどこか他の場所へ移されているのだが、
それが「T」さんの元にあるのはおそらく間違いないと思う
道路を最初に拡張する時に、さっさと公共墓地にでも移せばいいものを、
それをしなかったということは、身内の存在があって、何か衝突でもしてたのだろう
今思えば、警察がわざわざ神社にやってくるなどよほどの事だ、
あの時警察は「T」さんを知っていたのではないだろうか
そして、現在は肉塊は「T」さんの元で供養されているはずなのだ
俺がもっと早くにこの事に気づいていれば、肉塊の祟りをうけることもなかったかもしれない

474バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 04:45:18.14ID:???
無縁仏のあった場所は現在では直線道路になっていて、お墓はどこか他の場所へ移されているのだが、
それが「T」さんの元にあるのはおそらく間違いないと思う
道路を最初に拡張する時に、さっさと公共墓地にでも移せばいいものを、
それをしなかったということは、身内の存在があって、何か衝突でもしてたのだろう
今思えば、警察がわざわざ神社にやってくるなどよほどの事だ、
あの時警察は「T」さんを知っていたのではないだろうか
そして、現在は肉塊は「T」さんの元で供養されているはずなのだ
俺がもっと早くにこの事に気づいていれば、肉塊の祟りをうけることもなかったかもしれない

475バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:25:40.64ID:???
無縁仏のあった場所は現在では直線道路になっていて、お墓はどこか他の場所へ移されているのだが、
それが「T」さんの元にあるのはおそらく間違いないと思う
道路を最初に拡張する時に、さっさと公共墓地にでも移せばいいものを、
それをしなかったということは、身内の存在があって、何か衝突でもしてたのだろう
今思えば、警察がわざわざ神社にやってくるなどよほどの事だ、
あの時警察は「T」さんを知っていたのではないだろうか
そして、現在は肉塊は「T」さんの元で供養されているはずなのだ
俺がもっと早くにこの事に気づいていれば、肉塊の祟りをうけることもなかったかもしれない

476バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:34:58.94ID:???
T」さんに探りを入れたのが間違いだったのだろう
当たり障りもないように、変わった苗字ですが地元の方ですか?と聞いた瞬間、顔色が変わったのがわかった
中学生の時まで地元にいたという話だけで、後ははぐらかされた
「T」さんと会ったのはそれが最後で、仕事先でも会う事はなかった
が、どうも俺はその時、「T」さんといっしょにいた肉塊の霊を連れてきてしまったようで、
奇妙な事が身の回りに起こり始める


222 :Trader@Live!:2012/07/31(火) 18:07:48.40 ID:SGW400Ym

それまで金縛りにはあったことがなかったのだが、肉塊を連れてきたであろうその晩、金縛りになった
低い声が聞こえて、仰向けの俺の腹の上に黒い何かが乗っている
体がぴくりとも動かず、油汗をかきながらウンウンとうなっていた
体が疲れていて、脳だけが覚めている状態で金縛りは起こるらしいが、
そういうものではなく、体を何かが押さえつけている感覚だった
この時、はじめて金縛りにあったのだけど、
小学生の時、まだうす気味の悪い借家にいた時、俺の母親も同じものを見た話を思い出してゾッとした

477バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:35:29.46ID:???
小学生だった時のある晩、母親が血相を変えて、俺と弟が寝ている部屋へ飛び込んできて、
さらにそこで「エーっ?!」という悲鳴をあげたことがあった
何があったのかと聞くと、母親の枕元に誰かが近づいてきて、そこで座って動かないものだから、
俺か弟のどちらかがいつまでも寝ずにウロウロしていると思い、早く寝なさいっ!と叱りつけたらだれもおらず、
あわてて俺と弟を見に行ったら二人とも熟睡している
枕元に黒いなにかが座ったと言ってたのだが、俺の元に現れたのもそいつなのだろう
母親が黒い影を見たのは、肉塊が死んだ少し後の事だった

478バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:36:03.50ID:???
は初めて金縛りにあった翌日、交通事故を起こした
仕事先に向かう途中で、見通しの良い直線道路で時速は50キロ程度だったのだが、
体が重くなり、あっと思った瞬間、民家の壁へ突っ込んでいた
俺はそこで気を失ってしまったのだが、目が覚めてまっ先に肉塊の事を思い出した
あのお屋敷の前で起こり続けた不可解な交通事故を、自分が起こしてしまった
ここで俺は肉塊に取り憑かれている事を確信して、肉塊に連れて行かれるのではと怯えた
事故では頭と胸を打撲していて、右足にもケガをしていたが、
俺はとにかくこれはマズイと、その足でお祓いを受けに行く事にした
事情をよく知っているであろう、あの神主の元を訪ねてみた

479バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:36:32.58ID:???
神主はもう亡くなっていて、当時の事情を知る人はいなかった
火事の事、無縁仏の事を伝えてみたが、誰も知らなかったが、
地縛霊のようなものに取り憑かれていると伝えると、お祓いを簡単にしてくれた
それがとても簡単すぎるものだったので、俺はこれはダメなんじゃないかと不安になったが、
案の定駄目だった、それからも黒い影が度々俺の元に現れた
事故のケガはさほど重症でもなかったが、胸がとにかく苦しく黒い影がひどい時には4時間ほど俺の体を押さえつけて、
精神がすっかりまいってしまって、仕事には出られず、会社も辞めてしまった
お祓いというよりも、供養が必要なのではないかと思って「T」さんにどうにか連絡を取ろうとしたが、
辞めた会社は取り繕ってくれなかった

480バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:37:47.76ID:???
とにかく供養をしなければと、部屋にはお清めの塩を盛り、線香を3本立て、
成仏してください成仏してくださいと唱え続けたが、黒い影は現れ続け、
お寺の住職に相談してみたところ、霊が生前に好きだったものをお供えして供養してあげてくださいと言われた
俺は肉塊が生前なにを好きだったかなんて知らないし、肉塊になったほどだから、
やはり肉なんだろうかと、牛肉をお供えしてみたがその夜も金縛りにあった
肉塊が好きだったもの、そうだ漫画が好きだったに違いない!
タバコ屋のばあちゃんはあんな少女漫画読まないだろうし、肉塊が座敷牢で読んでいた漫画をお供えしてみよう、
俺はそう思って本屋へ少女漫画を買いに行った

481バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:38:33.74ID:???
俺が小学生の時、タバコ屋でもらった肉塊の少女漫画
全部で20冊くらいはもらったはずなのだが、タイトルを忘れてしまっていた
だけどその中に俺がすごく面白いと思ったものがあって、パパと私という漫画をよく覚えていてた
片親の大工のお父さんが子供のミヨちゃんにお弁当を作ったり、裁縫をしたり、ほのぼのとした少女漫画があった
肉塊はこういう少女漫画が唯一の社会との接点で、外の世界を知るには漫画しか無かったのだろうと思うと、
俺は取り憑かれているにも関わらず、本屋でパパと私を手にした時、涙がこぼれて止まらなくなってしまった


479 :Trader@Live!:2012/07/31(火) 19:02:04.35 ID:SGW400Ym

パパと私の話の中に、晩御飯はカレーにしましょうという話があって、
大工のお父さんが悪戦苦闘してカレーを作るのだけど、
俺はその話をよく覚えていたので漫画と一緒にカレーの材料を買って来て、カレーを作ってあげることにした、
肉も多めに入れておいた
そして、漫画とカレーをお供えに、線香をあげて供養をした
不思議というか、やはりというか、その日の夜から黒い影は現れず、金縛りにもあわなくなった
俺は肉塊を供養することに成功したのだろう、それ以来、一度も彼女には会っていない
あれだけ苦しめられた肉塊の存在が、何故か最後の日は少女漫画のミヨちゃんのように思えて、
俺のそういう思いが伝わって成仏してくれたのだろうと信じる

482バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:39:08.78ID:???
俺はあれ以来、カレーを作ると肉塊の行方が気になってしょうがない
無事に成仏できず、この世をさまよっているとしたら、また誰かの元に黒い影となって現れているのかもしれない
もしあなたが金縛りにあったり、黒い影にとり憑かれたら、
カレーを作って、どうか肉塊の事を少しだけ思い出して、心の片隅で供養してあげてほしい

483バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:40:39.23ID:???
聞いたまま書きます。

その日、俺は小さい時からの親友のカズの誕生日に、仲間数人とカズの家に向かってたんだ。
途中でムーと合流したんだけど、何故かムーは花を持ってた。
誕生日に花を持ってくのは普通だけど、高校生の男が男友達の誕生日に花はないだろとか言いながら歩いてた。
その時は単純にウケ狙いかと思ってたんだけど、しきりにムーが「この花どうしたと思う?」って聞いてきてたんだよ。
結局言わないままカズの家に着いたんだけど。

484バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:42:26.18ID:???
それでカズの部屋に入って、
おめでとうとか言いながら、タバコをカートンであげたり、好きだったグループのCDあげたりしてたら、
ムーが例の花を出したんだよ。
それを見た瞬間、カズがムーに殴りかかる様な勢いで近づいて花を取り上げて、捨てようと窓を開けたらいたんだよ。
カズの部屋の窓の向こうはすぐマンションの壁があるんだけど、
その壁に、手も足も変な方向に曲がって壁にくっついてる女が。
壁にくっついてるんだけど、首がグニャリと曲がった顔でずっとこっち見てた。
みんな固まって動けなかったんだ。
その女は動けない俺達を見ながら、ゆっくり窓に顎を乗せて入って来ようとしてた。
その瞬間、ムーが動いたんだ。
多分、謝りながらだったと思う。顎が乗っかってる女を無視して窓を閉めた。
それからカーテンも閉めたところで、全員がホントに同時にその場に座りこんだんだ。
誰も口が聞けない中で、カズがムーに聞いた。
「花、どこから持ってきた?」って。
ムーは、「いや…実は、来る途中に電柱のところにあった花束を、ウケると思って持ってきたんだ…」って言ったんだよ。
まだ誰も動けない中で、当然花を元の場所に返さなければって話がついたんだけど、一応カーテンの外が気になるよね。
カズがホントに少しだけカーテン開いたんだ。
顔がまだ残ってるんだよ。窓擦り抜けて。
その瞬間、全員外に逃げた。
そのままムーに案内させて花を返して、みんな電柱に向かって謝ったんだ。

次の日ムーは死んだ。事故だったみたい。
ムーが死んだ10日後、一緒にいたノリが死んだ。
この話をしてくれた翌日に、この人が死んだ。

485バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:43:38.23ID:???
今から3年前の話です。
これを聞かせてくれて死んだのは俺の兄貴です。
カズ君はまだ生きてます。ですが引っ越したためどこにいるか、それ以外の人がどうなってるのかわかりません。
その電柱の場所も原因も女もわかりません。
ただ、今日兄貴の仏壇の前でいつものように線香をあげてたら、
兄貴の写真に反射して見えた窓から、顔だけ出した女がいました。
すぐ振り返ったら消えてましたが、自分はこの後何かあるのでしょうか。
何か変わったことがあればまた伝えにきます。
聞いていただきありがとうございました。

486バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:46:24.90ID:???
自分、日本ホラー系ゲームの二次をやってる。
それで、仲間内による仲間内のためのアンソロを作ることになった。
カプでイチャイチャではなく、ホラー現象に巻き込まれるカプ、というコンセプトでみんな書き始めた。
つまりカプ要素はものっそい薄い。

で、みんな恐い話かけたよーって私の自宅(編集担当)に送ってくれたんだ。
そ し た ら 。
全員が全員同じホラーストーリーだった。私も含めて。
あれ?(・ω・)?
正直さぁ仲間(七人)全員が同じストーリーってありえないよね。エピソードはオリジナルって全員言っていたのに。
ちょwwwwww何www被らせてんのwww状態で連絡したら、わざとやった覚えはないとのこと。
うわー怖いなぁーって思いつつ発行したら、仲間内にそれぞれ不幸が。

487バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:47:55.19ID:???
仕方ないからアンソロを寺に持っていくことになって、お祓いを受けたんだけど、
寺の住職曰く、
「あなた達が書いた話は、すごく昔にこの地で実際にあった怪奇とそっくり同じなのです。
 いい子にならないように気を付けて」
って言ってた。
おー怖い。
てか、住職にアンソロ読まれた自分たち涙目。

488バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:48:58.33ID:???
いい子はいい子。が選ばれる。ムラの生き神さまの名前なんだ。
確認できる最古の記録が戦国時代のものらしいから、いい子はもっと昔からいるみたい。
つかね、そんな山奥のムラに字が普及してたことに驚いたけど。
で、いい子は祭事を司り、ムラ人を治めていた。飢饉とか天災を回避するとかも仕事。
だからムラに飢饉や天災は起きないはずなんだ。
それなのに飢饉と疫病が起きた。いい子がいるのに。
そのいい子は回避できなかったなら本来の役割を、とムラ人たちに虐殺された。
目を潰され鼻を削り腸をry獣に食われる。いい子だから。

歴代のいい子はそんな感じ。
そしておそらく最後のいい子が選ばれた。それが戦国時代らしい。

489バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:49:32.40ID:???
いい子はいい子。が選ばれる。ムラの生き神さまの名前なんだ。
確認できる最古の記録が戦国時代のものらしいから、いい子はもっと昔からいるみたい。
つかね、そんな山奥のムラに字が普及してたことに驚いたけど。
で、いい子は祭事を司り、ムラ人を治めていた。飢饉とか天災を回避するとかも仕事。
だからムラに飢饉や天災は起きないはずなんだ。
それなのに飢饉と疫病が起きた。いい子がいるのに。
そのいい子は回避できなかったなら本来の役割を、とムラ人たちに虐殺された。
目を潰され鼻を削り腸をry獣に食われる。いい子だから。

歴代のいい子はそんな感じ。
そしておそらく最後のいい子が選ばれた。それが戦国時代らしい。

490バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:50:14.92ID:???
最後のいい子は流れ者で、餓死寸前だったのをムラ人の誰かが助けてくれた。
これは憶測だけど。そのいい子は戦災孤児だったんじゃね?時代が時代だし。
で、ムラ長にしばらく育てられたあといい子に。
天災がおきて殺されて。いい子にするために拾ったムラ長とムラのみんなを呪い、死んだ。
それからムラにまぁ色々あって。発狂したとか親を殺して食ったとか。
そんな感じにほとんどの村人が死に、いい子の怨霊を鎮めるために寺がたてられた。


以上。
もういい子のことを知る人(=ムラ人)は本当に少ないのに、
知ってる(=知らなかったけど本にした)私たちを、ムラ人の生き残りだといい子は思ったんじゃないか、って住職が。
んで、友達の一人がいい子の条件にあってたから忠告をもらったんだ。
テラ誤爆。いや、私はそうだけどね。だからいい子の存在を知った人が増えるのは嬉しい。
まあ、何かおきても自己責任でよろしく。

あ。
いい子は忌い子ね。

491バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:52:44.91ID:???
5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。
表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。
私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、
先日古い友人と話す機会があり、あのときのことをまざまざと思い出してしまいました。
ここで文章にすることで、少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。

私たち(A・B・C・D・私)は皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余 していました。
学校も、私たちがサボったりするのは受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、
体育祭後は朝学校に出て来さえすれば、後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。

ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。
改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。

492バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:53:32.96ID:???
サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、
翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。
外から様子のわからないようなとても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか少しびびりましたが、
ABは「大丈夫」を連発しながら、どんどん中に入って行きます。
既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。
書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。
すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
「こっちも部屋か」
よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。
肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに、そのとき疑問を持つべきでした。
それでもこっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。

493バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:54:00.06ID:???
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのか、じめっとしていました。
部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、
壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。
湿気で壁紙はカピカピになっていました。
部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、
その上に真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。
「なんやこれ、気持ち悪い」と言って、友人Aが写真入れを手にとって持ち上げた瞬間、
額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。
紙は御札でした。
みんなヤバと思って声も出せませんでした。
顔面蒼白のAを見て、Bが急いで出ようと言い、逃げるようにBが窓によじ登ったとき、
そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。
写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。

494バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:54:25.17ID:???
何やこれ」
酒に弱いCは、その場でウッと反吐しそうになりました。
「やばいてやばいて」
「吐いてる場合か急げ」
よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。
何がなんだかわけがわかりませんでした。
後ろではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出しています。
きっとAです。祟られたのです。
恐ろしくて振り返ることもできませんでした。
無我夢中でよじのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。
Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そうとすると、「イタイタ。引っ張んな足!」とCが叫びます。
部屋の向こうではAらしき声が、わんわん変な音で呻いています。
Cはよほどすごい勢いでもがいているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんずんしました。

495バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:54:56.07ID:???
B!かんぬっさん連れて来い!」
後ろ向きにDが叫びました。
「なんかAに憑いとる!裏行って神社のかんぬっさん連れて来いて!」
Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓からCを引き抜きました。
「足!足!」
「痛いか?」
「痛うはないけど、なんか噛まれた」
見ると、Cの靴下のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように丸く歯形がついて、唾液で濡れています。
相変わらず中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から中を見ることができませんでした。
「あいつ俺に祟らんかなぁ」
「祟るてなんや、Aはまだ生きとるんぞ」
「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」

「しらー!」
縁側からトレーナー姿の神主さんが真っ青な顔して入ってきました。
「ぬしら何か!何しよるんか!馬鹿者が!」
一緒に入ってきたBは、もう涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。
「ええからお前らは帰れ。こっちから出て、神社の裏から社務所入って、ヨリエさんに見てもらえ。
 あと、おい!」
と、いきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げられました。
後ろで何かザキっと音がしました。
「よし行け」
そのままドンと背中を押されて私たちは、わけのわからないまま走りました。

それから裏の山に上がって神社の社務所に行くと、中年の小さいおばさんが白い服を着て待っていました。
めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。

496バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:55:21.64ID:???
それからAが学校に来なくなりました。
私の親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、詳しい話は何もしてくれませんでした。
ただ、山の裏には絶対行くなとは言われました。
私たちもあんな恐ろしい目に遭ったので、山など行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごしていました。

期末試験が終わった日。生活指導の先生から呼ばれました。
今までの積み重ねまとめて大目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行きました。
すると私の他にもBとDが座っています。神主さんも来ていました。生活指導の先生などいません。
私が入ってくるなり神主さんが言いました。
「あんなぁ、Cが死んだんよ」
信じられませんでした。
Cが昨日学校に来ていなかったことも、そのとき知りました。
「学校さぼって、こっちに括っ取るAの様子を見にきよったんよ。
 病院の見舞いじゃないとやけん、危ないってわかりそうなもんやけどね。
 裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。
 駆けつけたときには、白目むいて虫螺の息だった」
Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思って、ちょっと口答えしそうになりましたが、
神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。
「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。
 アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。
 アレのことを覚えとる奴がおったら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。来たら憑かれて死ぬんぞ。
 それと、後ろ髪は伸ばすなよ。
 もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」

497バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:55:53.21ID:???
それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路室を出ました。
そのとき神主さんは、私の伸ばしていた後ろ毛をハサミで切ったのです。
何かのまじない程度に思っていましたが、まじないどころではありませんでした。
帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいました。


568 :連休厨 :02/05/02 21:02

卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めなければいけませんでした。
その後私たちはバラバラの県で進路につき、
絶対に顔を合わせないようにしよう、もし会っても他人のふりをすることにしなければなりませんでした。

私は1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈りました。
しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私は神主さんの話を思い出していました。
今日来るか、明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。

その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることができました。
しかし、少し気を許して盆に帰省したのがいけませんでした。
もともと私はおじいちゃん子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
急のことだったのですが、『せめて初盆くらいは帰ってこんか』と電話で両親も言っていました。
それがいけませんでした。

498バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:56:34.29ID:???
の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時代の彼女が売り子でした。
彼女は私を見るなりボロボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことをまくし立てました。

Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首をくくったそうです。
部屋は雨戸とカーテンが閉められ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、
さらに自分の髪の毛を、その上から一本一本几帳面に張り付けていたということでした。
鑞で自分の耳と瞼に封をしようとした痕があったが、最後までそれをやらずに自害したという話でした。

Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、
松山の近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩いているのを見つかったそうです。
Dの後頭部は烏がむしったように髪の毛が抜かれていました。
Dの瞼は閉じるのではなく絶対閉じないようにと、自らナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。

このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはありません。
BとDの末路など今の私にはどうでもいい話でした。
つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っていないと、気づかされてしまったのです。

499バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:57:03.43ID:???
が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着くと、家には誰もいませんでした。
後で知ったことですが、私の地方は忌廻しと云って、
特に強い忌み事のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行う、という風習があったのです。
私は連れてこられたのでした。

500バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:58:18.11ID:???
それから3日、私は39度以上の熱が続き、実家で寝込まなければなりませんでした。
このとき私は死を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い服を着て、水を飲みながら寝ていました。

3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。
Aは骨と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
「お前一人やな」
「うん」
「お前もこっち来てくれよ」
「いやじゃ」
「Cが会いたがっとるぞ」
「いやじゃ」
「おまえ来んと、Cは毎日リンチじゃ。逆さ

501バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:58:46.09ID:???
りで口に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
「ははは・・・地獄か、地獄ちゅうのはなぁ」

そこで目を覚ましました。
自分の息の音で喉がヒイヒイ音を立てていました。
枕元を見ると、祖父の位牌にヒビが入っていました。

502バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 08:59:17.59ID:???
私は考えました。
アレの話を私と同じように多くの人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依される確率は下がるのではないか。
ここまでの長文、たいへん失礼しました。おおざっぱな書き方では、読んだ方の記憶に残らないと思ったのです。
読んだ方は申し訳ないのですが、犬に噛まれたとでも思ってください。
ご自分の生存確率を上げたければ、この文章を少しでも多くの方の目に晒すことをおすすめします。

503バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:08:02.93ID:???
怖い話の怖さとはそれを見聞きする環境にも左右されるのはご存知の通りだと思いますが、
現在のスレのような状況では仮に良質な話が投下されたとしてもダメになるのが道理というもの。
しかしながら今から私がする話はこのように荒れた状況下にこそ相応しいものであると存じます。

まずは話を始めるにあたり1つ注意事項をば。
小心にして被害妄想の気がある方はこの話を読むの止して頂くのが良いかと存知ます。
読んでしまった後になって、非難されても当方に責任は取れません故。
ただ、読んでしまったならば諸兄の下にも悪霊が、と言う類の話ではありませんので、
その点についてはご安心を。
さて、このように長々と前置きをしておりますと、
「ぐだぐだ駄文書いてんじゃねぇ。死ね。」
というようなレスが投げつけられるのは火を見るよりも明らか。
そろそろ始めることに致しましょう。

オカルト板に出入りされているからには、「呪詛」と言いますと一家言お持ちの方も
おられる事でしょう。これより私が致しますのは、その呪詛についてのお話です。

504バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:09:29.64ID:???
でも一応毎回部屋のクリーンアップはしなきゃならないから、
実際他の部屋と同じようにポット代えたり軽く掃除したりはするんだ。
ただ、終わって出てもその部屋のドアは開けっ放しにするだけ。

俺は霊感なんかこれっぽっちもないけど、そういう話は大好きで興味あったから
実際にバイト終わった後トイレに行く振りしてその部屋に行って調べたんだよ。
でも掛け軸の裏や箪笥の奥に札なんてのは何一つなかったし、
窓の外の外壁とかまで注意深く探してみても変なシミ一つさえ見当たらなかったんだよね。

そんなもんだから他のバイトにも実際どう思うよ?って話したら、
ほとんどの学生バイトの見解も「迷信じゃね?」ってな感じだった。
Aってやつとは話があったバイト仲間だったんだけど、
そいつと2人でやる時にも一緒に入って色々見たけどなーんにもなくてさ。

先輩にうまくからかわれただけだなw って結論を出した。

505バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:10:00.47ID:???
、のらくらとバイト続けているうちにまたAと一緒に4階を回ることになって、
その時に堪え切れなくて言っちゃったんだな、
「あの部屋のドア別に閉めてもいいじゃん、何も変わったところないし。」って。

で、部屋のクリーンアップ終わった時に試しに閉めてみた。
立て付けが悪いわけでもなく実に自然に閉まった。風で変な音が出そうな気配も無い。
Aも「なんだ、壊れてるわけでもないのかよ」って呆れ顔だった。
んで、「どうせ俺ら明日もバイト入ってるんだし、閉めたまま様子見るのもよくね?」ってなったんだ。
俺もいけないとはわかってたけど、まぁ問題が起きても自己責任だしなって思って同意したんだ。
それよりなんで閉めちゃいけないのかがろくな説明も無かったから気になってさ。

506バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:10:34.24ID:???
んで、客はもういなかったから4階の廊下でシーツとかAと2人でまとめてたら、
その閉まらずの部屋のほうから突然、「出してくれええ!!」って男の野太い声が聞こえたんだ。

Aと顔を見合わせて、Aが「逃げるぞ!」って言った瞬間脱兎のごとく逃げ出したよ。
2階で仕事してた「入るな」の説明をしてくれた先輩にそのことを話すと、
ウンザリした顔で一緒に開けに行こうって言ってくれた。
大の男2人が女に連れられて部屋のドアを開けにいったんだが、もう体裁なんて気にしていられなかった。
自分たち以外人のいないとこからあんな声が出て本当に脂汗かいてたし、
泣いて許されるんだったら家に帰りたかったけど。

話によると、その部屋で持病の発作を起こして死んだ人がいるらしかった。
たまたま薬を持った人が小用で出てるときにそれが起こってしまって、ドアの前で絶命していたらしい。
それ以来、ときたま弱弱しくドアを叩く音が聞こえる現象が続いたらしくて、
もちろんその部屋は使用禁止+お祓いってことになったんだけど、結局消えなかったんだって。
けど、そのドア開けっ放しにしておくとその音はなくなるらしい。
その部屋の玄関口で倒れた霊がときたま出るから、なんだってさ。

もちろん俺とAは一端引き止められたものの結局バイトは辞めてしまった。
今でもその旅館は普通に営業してるけど、お札とかなくてもそういうのには気をつけなきゃいけないと本気で思ったよ。
長文+稚拙な表現ですまんかった。

507バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:14:24.64ID:???
これは夏休みも間近に迫った大学3年生の頃の話。
大学の友人の樹と覚、そして修(俺)の3人で、海に旅行しようと計画を立てたんだ。
計画段階で、樹が「どうせなら海でバイトしないか」と言い出し、俺も夏休みの予定は特になかったから二つ返事でOKした。
まずは肝心の働き場所を見つけるべく、手分けして色々探して回ることにした。
主にネットで探していたのだが、結構募集しているもので、「友達同士歓迎」という文言も多かった。俺たちはそこから、ナンパの名所と言われる海の近くの旅館を選んだ。
俺は早速電話でバイトの申し込みをした。電話口の女性の話では人手不足らしく、それはもうトントン拍子に話は進み、あっけなくその旅館で働くことが決まってしまった。

508バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:14:50.08ID:???
こうして旅館へと旅立つ日がやってきた。初めてのリゾートバイトな訳で、緊張と期待で結構ワクワクしていた。
電車を乗り継いで3時間。その旅館は2階建ての広めの一軒家。一言で言うなら、田舎の婆ちゃん家。旅館とは書いてあるけど、民宿という呼び名がぴったりかもしれない。
入り口で来訪を告げると、同じ歳くらいの女の子が笑顔で出迎えてくれた。ここでグッとテンションが上がる俺達。
旅館の中は、客室が4部屋、食事する広間が1部屋、従業員住み込み用の部屋が2部屋で、計7つの部屋があると説明され、俺たちは最初に広間へ通された。
暫く待っていると、さっきの若い女の子が麦茶を持って来てくれた。名前は美咲ちゃんと言い、この近くで生まれ育った女の子だ。
そして美咲ちゃんと一緒に入って来たのが女将の真由子さん。恰幅が良くて、笑い声の大きな凄く良い人。それに美人。もう少し若かったら俺、惚れてた。
あと旦那さんもいて、俺達3人を含めた6人でこの民宿を切り盛りして行くことになった。

509バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:15:13.85ID:???
ある程度、自己紹介が済んだ後、女将さんから案内があった。
「客室はそこの右の廊下を突き当たった左右にあるからね。そんであんたたちの寝泊りする部屋は、左の廊下の突き当たり。あとは荷物置いてから案内するから、ひとまずゆっくりしておいで」
ふと樹が疑問に思ったことを聞いた。
「2階じゃないんですか? 客室って」
すると女将さんは笑顔で答えた。
「2階はもう、使ってないの」
部屋に着いて荷物を下ろし、部屋から見える景色と近くの海から流れてくる潮の匂いを嗅ぐと、本当に夏休みが到来したことを実感した。
これからバイトで大変かもしれないけど、こんな場所でひと夏過ごせるのなら全然良いと思った。ひと夏の恋なんていうのも期待していたしね。

510バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:16:32.26ID:???
こうして俺たちのバイト生活が始まった。楽な仕事ではなかったけど、みんな良い人だから全然苦にならなかった。やはり職場は人間関係ですな。あっという間に1週間が過ぎた。
「なあ、俺たち良いバイト先見つけたよな」
「ああ、金もいいし」
二人が話す中、俺も、
「そーだな。でももうすぐシーズンだろ? 忙しくなるな」
樹「そういえばシーズンになったら2階は開放すんのか?」
覚「しねーだろ。2階って女将さんたち住んでるんじゃないのか?」
俺と樹は「え、そうなの?」と声を揃える。
覚「いやわかんねーけど。でも最近女将さん、よく2階に飯持ってってないか?」
そんな姿は見たことがなかった。覚は夕時、玄関前の掃き掃除を担当しているため、2階に上がる女将さんの姿をよく見かけるのだと言う。女将さんはお盆に飯を乗せて、2階へ続く階段に消えて行くらしい。
ここで説明しておくと、2階へ続く階段は一度玄関を出た外にある。1階の室内から2階へ行く階段は、俺達の見たところでは確認できなかった。
その話を聞いた俺達は「ふうん」という感じで、別に何の違和感も感じなかった。

511バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:17:01.00ID:???
それから何日か過ぎたある日、いつも通り廊下の掃除をしていた俺も遭遇することになった。見ちゃったんだ。客室からこっそり出て来る女将さんを。
女将さんは基本、部屋の掃除などはしないんだ。そういうことをするのは全部、美咲ちゃん。だから余計に気になったのかもしれないけど。
見間違いかと思ったけど、やはり女将さんだった。その日一日、悶々したものを抱えていた俺は、結局黙っていられず二人にそのことを話した。
すると、樹が言った。
「それ、俺も見たことあるわ」
「おい、マジか。なんで言わなかったんだよ」
俺が焦る。
「だってなんか用あるんだと思ってたし、それに疑ってギクシャクすんの嫌じゃん」
「確かに」
俺達はその時、残り1ヶ月近くバイト期間があった訳で…。他所様のことを変に詮索しなければ楽しく過ごせるんじゃないかと思った。
だけど俺ら男だし。3人組みだし。少し冒険心が働いて「なにか不審なものを見たら報告する」ということで、その晩は大人しく寝た。

512バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:17:53.12ID:???
そしたら次の日の晩、覚がひとつ同じ部屋の中にいる俺達をわざとらしく招集。いちいち芝居がかったやつ。
覚「おれさ、女将さんがよく2階に上がるっていったじゃん? あれ、最後まで見届けたんだよ。いつも女将さんが階段に入っていくところまでしか見てなかったんだけど、昨日はそのあと出てくるまで待ってたんだよ。そしたらさ、5分くらいで下りてきたんだ」
樹「そんで?」
覚「女将さんていつも俺らと飯食ってるよな? それなのに盆に飯のっけて2階に上がるってことは、誰かが上に住んでるってことだろ?」
俺「まあ、そうなるよな…」
覚「でも俺らは、そんな人見たこともないし、話すら聞いてない」
樹「確かに怪しいけど、病人かなんかっていう線もあるよな」
覚「そそ。俺もそれは思った。でも5分で飯を完食するって、けっこう元気だよな?」
樹「そこで決めるのはどうかと思うけどな」
覚「でも怪しくないか? お前ら怪しいことは報告しろっていったじゃん? だから俺は報告した」
語尾が少し得意気になっていたので俺と樹はイラッとしたが、そこは置いておいて、確かに少し不気味だなと思った。
「2階にはなにがあるんだろう?」

513バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:19:00.05ID:???
次の日、いつもの仕事を早めに済ませ、俺と樹は覚のいる玄関先へ集合した。そして女将さんが出て来るのを待った。
暫くすると女将さんは盆に飯を乗せて出て来た。玄関を出て壁伝いに進み、そのまま角を曲がり、2階に上がる階段の扉を開くと、奥の方へ消えて行った。
取り敢えずそこに消えた女将さんは、覚の言った通り5分ほど経つと戻って来た。お盆の上の飯は空だった。そして俺たちに気付かないまま、1階に戻って行った。
覚「な? 早いだろ?」
俺「ああ、確かに早いな」
樹「なにがあるんだ? 上には」
覚「知らない。見に行く?」
樹「ぶっちゃけ俺、今、びびってるけど?」
覚「俺もですけど?」
俺「とりあえず行ってみるべ」
そう言って3人で2階に続く階段の扉の前に行ったんだ。
「鍵とか閉まってないの?」
という樹の心配をよそに俺がドアノブを回すと、すんなり開いた。
「カチャ」
扉が数センチ開き、左にいた覚の位置からなら辛うじて中が見えるようになった時、
「うっ」
覚が顔を歪めて手で鼻をつまんだ。

514バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:19:55.97ID:???
樹「どした?」
覚「なんか臭くない?」
俺と樹には何も分からなかったのだが、覚は激しく臭いに反応していた。
覚「いやマジで。臭わないの? 扉もっと開ければわかるよ」
俺は意を決して扉を一気に開けた。ひんやりとした空気が中から溢れ、埃が舞った。
俺「この埃の臭い?」
覚「あれ? 臭わなくなった。でも本当に臭ったんだよ。なんていうか…生ゴミの臭いっぽくてさ」
樹「気のせいじゃないの」
そんな二人を横目に、俺はあることに気が付いた。廊下が凄く狭い。人が一人通れるくらいだった。
そして電気らしきものが見当たらない。外の光で辛うじて階段の突き当たりが見える。突き当たりには、もう一つ扉があった。
俺「これ、上るとなるとひとりだな」
樹「いやいやいや、上らないでしょ」
覚「上らないの?」
樹「上りたいならお前行けよ。俺は行かない」
覚「おれも、無理だな」
樹が覚を肩パンチ。
俺「結局行かねーのかよ。んじゃー、俺いってみる」
二人「本気?」
俺「俺こういうの、気になったら寝れないタイプ。寝れなくて真夜中一人で来ちゃうタイプ。それ完全に死亡フラグだろ? だから、今、行っとく」
訳の解らない理由だったが、俺の好奇心を考慮すれば、今、樹と覚がいるこのタイミングで確認する方が良いと思ったんだ。でも、その好奇心に引けを取らずして恐怖心はあった訳で…。
取り敢えず俺一人行くことになったのだが、何か非常事態が起きた場合は絶対に(俺を置いて)逃げたりせず、真っ先に教えてくれという話になった。
ただし、何事もない時は、急に大声を出したりするなと。もしそうした時は、命の保障はできないとも伝えた(俺のね)。

515バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:21:31.85ID:???
一段一段と階段を登る俺。
階段の中には外からの光が差し込んでいるが、とても薄暗い。慎重に一段ずつ階段を登り始めたが、途中から、
「パキッ…パキ」
と音がするようになった。
何事かと思い、怖くなって後ろを振り返り、二人を確認する。二人は音に気付いていないのか、じっとこちらを見て親指を立てる。「異常なし」の意味を込めて。
俺は微かに頷き、階上に向き直る。古い家によくある、床の鳴る現象だと思い込むようにした。
下の入り口からの光があまり届かないところまで登ると、好奇心と恐怖心の均衡が怪しくなってきた。そのまま引き返したい気分になった。
暗闇で目を凝らすと、突き当たりの扉の前に何かが立っている…かもしれないとか、そういう「かもしれない思考」が本領を発揮し始めた。
「パキパキパキッ…」
この音も段々激しくなり、どうも自分が何かを踏んでいる感触があった。虫かと思った。背筋がゾクゾクした。でも何かが動いている様子はなく、暗くて確認もできなかった。
何度振り返ったか判らないが、途中から下の二人の姿が逆光のせいか薄暗い影に見えるようになった。ただ親指はしっかり立てていてくれたみたいだけど。
そしてとうとう突き当たりに差し掛かった時、強烈な異臭が俺の鼻を突いた。俺は覚と全く同じ反応をした。
「うっ」
異様に臭い。生ゴミと下水が入り混じったような臭いだった。
『なんだ? なんだなんだなんだ?』
そう思って辺りを見回す。

516バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:22:38.25ID:???
その時、俺の目に飛び込んできたのは、突き当たりの扉の前に大量に積み重ねられた飯だった。まさにそれが異臭の元となっていて、何故気付かなかったのかというほど蝿が群がっていた。そして俺は、もう一つあることを発見してしまう。
突き当たりの扉には、ベニヤ板が無数の釘で打ち付けられていて、その上から大量のお札が貼られていたのだ。更に、打ち付けた釘に細長いロープが巻きつけられていて、蜘蛛の巣のようになっていた。
正直、お札を見たのは初めてだった。だからあれがお札だったと言い切れる自信はない。でも大量のステッカーという訳でもないと思う。明らかに、何か閉じ込めていますという雰囲気が全開。
俺はそこで初めて、自分のしていることが間違いだと思った。
『ここにいちゃいけない』

517バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:22:54.02ID:???
そう思って踵を返して行こうとした時、突然背後から、
「ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ」
という音が聞こえた。
扉の向こう側で、何か引っ掻いているような音だった。
そしてその後に「ヒュー…ヒュッヒュー」という不規則な呼吸音が聞こえてきた。
俺は身動き一つできなかった。
あの時の俺は、ホラー映画の脇役の演技を遥かに凌駕していたのではないかと思う。そのまま後ろを見ずに行けば良いのだけど、あんなの実際できないぞ。そのまま行く勇気もなければ、振り返る勇気もない。そこに立ち竦むことしかできなかった。
眼球だけが左右に動き、冷や汗で背中はビッショリだった。
その間も、
「ガリガリガリガリガリガリ」
「ヒュー…ヒュッヒュー」
という神経を逆撫でする音は続き、俺は緊張で動かない足をどうにか進めようと必死になった。
すると背後から聞こえていた音が一瞬止まった。本当に一瞬だった。そして「バンッ!」という叩き付ける音。そして「ガリガリガリガリガリガリ」という音。
信じられなかったのだけど、それは俺の頭の真上、天井裏から聞こえてきたんだ。さっきまで扉の向こう側にいたはずなのに、一瞬で頭上に移動したんだ。
俺はもう限界だった。
そんな中、本当にこれも一瞬なんだけど、視界の片隅に動くものが見えた。それは階下の樹と覚だった。何か叫びながら手招きしている。
「おい!早く降りてこい!」
この瞬間に体が自由になり、我に返った俺は一目散に階段を駆け下りた。
後で二人に聞いたのだが、俺はこの時、目を見開いたまま、一段抜かしの転がるような勢いで下りて来たらしい。

518バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:23:24.19ID:???
駆け下りた俺は、とにかくその場所から離れたくて、そのまま樹と覚の横を通り過ぎ部屋まで走って行ったらしい。この辺はあまり記憶がない。
部屋に戻って暫くすると、樹と覚が後を追って部屋に入って来た。
樹「おい、大丈夫か」
覚「なにがあったんだ? あそこになにかあったのか?」
答えられなかった。というか、耳にあの音が残っていて、思い出すのも怖かった。
すると樹が慎重な面持ちで、こう聞いてきた。
「お前、上で何食ってたんだ?」
質問の意味が解らず聞き返した。
すると樹はとんでもないことを言い出した。
「お前さ、上に着いてすぐしゃがみこんだろ? 俺と覚で何してんだろって目を凝らしてたんだけど、なにかを必死に食ってたぞ。というか、口に詰め込んでた」
「うん…しかもさ、それ…」
覚は俺の胸元を見つめる。
何かと思って自分の胸元を見ると、大量の腐った残飯がくっついていた。そこから食物の腐った臭いが漂い、俺は一目散にトイレに駆け込み、胃袋の中身を全部吐き出した。
何が起きているのか解らなかった。俺は上に行ってからの記憶はあるし、あの恐怖の体験も鮮明に覚えている。ただの一度もしゃがみ込んでいないし、増してやあの腐った残飯を口に入れる筈がない。
それなのに、確かに俺の服にはそれがこびり付いていて、よく見れば手にも掴んだ形跡があった。
俺はゲエゲエ吐きながら混乱の頂点にいた。

519バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:24:21.86ID:???
俺を心配してトイレまで見に来た樹と覚は、
「何があったのか話してくれないか? ちょっとお前尋常じゃない」
と言った。
俺は恐怖に負けそうになりながらも、一人で抱え込むよりはいくらかましだと思い、さっき自分が階段の突き当たりで体験したことを一つ一つ話した。
樹と覚は、何度も頷きながら真剣に話を聞いていた。
二人が見た俺の姿と、俺自身が体験した話が完全に食い違っていても、最後までちゃんと聞いてくれたんだ。それだけで安心感に包まれ泣きそうになった。
話して少しホッとしていると、足がチクチクすることに気付いた。『なんだ?』と思い見てみると、細かい切り傷が足の裏や膝に大量にあった。
不思議に思って目を凝らすと、何やら細かいプラスチックの破片ようなものが所々に付着していることに気が付いた。赤いものと、少し黒みのかかった白いものがあった。
俺がマジマジとそれを見ていると、
「何それ?」
と覚はその破片を手に取って眺めた。
そして、
「ひっ」
と言ってそれを床に投げ出した。
その動作につられて樹と俺も体がビクッとなる。

520バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:25:13.38ID:???
樹「なんなんだよ?」
覚「それ、よく見てみろよ」
樹「なんだよ? 言えよ、恐いから!」
覚「つ、爪じゃないか?」
その瞬間、3人とも完全に固まった。俺はその時、物凄い恐怖心を抱きながらも、何故か冷静にさっきまでの音を思い返していた。
『ああ、あれ爪で引っ掻いていた音なんだ…』
どうしてそう思ったか解らない。だけど、思い返してみれば繋がらないこともないんだ。
階段を登る時に鳴っていた「パキパキ」という音も、何かを踏みつけていた感触も、床に大量に散らばった爪のせいだったのではないか…と。
そしてその爪は、壁の向こうから必死に引っ掻いている何かのものなんじゃないか…と。
きっと膝をついて残飯を食った時、恐怖のせいで階段を無茶に駆け下りた時、床に散らばる爪の破片のせいで怪我をしたのだろう。
でも、そんなことはもうどうでも良い。確かなことは、ここにはもう居られないということだった。
俺は樹と覚に言った。
俺「このまま働けるはずがない」
樹「わかってる」
覚「俺もそう思ってた」
俺「明日、女将さんに言おう」
樹「言っていくのか?」
俺「仕方ないよ。世話になったのは事実だし、謝らなきゃいけないことだ」
覚「でも、今回のことで女将さん怪しさナンバーワンだよ? もしあそこに行ったって言ったらどんな顔するのか、俺見たくない」
俺「バカ。言うはずないだろ。普通に辞めるんだよ」
樹「うん、そっちのほうがいいな」
そんなこんなで、俺たちはその晩の内に荷物をまとめた。
そしてあまりの恐怖のため、布団を2枚くっつけてそこに3人で無理やり寝た。メザシのように寄り添って寝た。
誰一人、寝息を立てるやつはいなかったけど。

521バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:26:45.21ID:???
次の日、殆ど誰も口を利かないまま朝を迎えた。沈黙の中、急に携帯のアラームが鳴った。いつも俺達が起きる時間だった。
覚の体がビクッとなり、相当怯えているのが窺えた。覚は根が凄く優しいやつだから、前の晩、俺に言ったんだ。
「ごめんな。俺なんかより修の方が全然怖い思いしたよな。それなのに俺がこんなんでごめん。助けに行かなくて本当ごめん」
その時は本当に嬉しくて目頭が熱くなったけど、でもなぜか俺は覚のその言葉に引っかかるものを感じた。
覚は俺達が立てる音の一つ一つに反応したり、俺の足の傷を食い入るようにじっと見つめたり、明らかに様子がおかしかった。
樹も普段と違う覚を見て、多少ビビリながらも心配したのだろう。
「おい、大丈夫か? 寝てないから頭おかしくなってんのか?」
と軽口を叩きながら覚の肩を掴んだ。すると覚は急に、
「うるさいっ!」
と叫び、樹の腕を凄い勢いで振り払った。

522バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:28:17.28ID:???
樹と俺は一瞬沈黙した。
俺「おい、どうしたんだよ?」
樹は急の出来事に驚き、声を出せずにいた。
「大丈夫かだって? 大丈夫なわけねーだろ? 俺も修も死ぬような思いしてんだよ。何にもわかってねーくせに心配したふりすんな!」
樹を睨み付けながらそう叫んだ。
何を言っているんだろうと思った。覚の死ぬ思いって何だ? 俺の話を聞いて恐怖していた訳じゃないのか?
樹と覚は仲間内でも特に仲が良かったのだが、その関係も樹が覚をいじる感じで、どんな悪ふざけにも覚は怒らず調子を合わせていた。
だから覚が樹に声を荒げる場面など見たことがなかったし、もちろん当の本人もそんな経験はなかったと思う。樹はこれも見たことないくらいに動揺していた。
俺は疑問に思ったことを覚に問いかけた。
「死ぬ思いってなんだ? お前ずっと下にいたろ?」
「いたよ。ずっと下から見てた」
そして少し黙ってから下を向いて言った。
「今も見てる」
今も? 何を? 俺は訳が解らない。全然解らないのだが、よくある話で覚の気が狂ったのだと思った。何かに取り憑かれたんだと。
そんな思いを他所に、覚は震える口調で、でもしっかりと喋り始めた。
「あの時、俺は下にいたけど、でもずっと見てたんだ」
「階段を昇って行く俺だよな?」
「違うんだ…。いや、初めはそうだったんだけど。修が階段を昇り切ったくらいから、見え出したんだ」
「…何が」
本当はこの時、俺の心の中は聞きたくないという気持ちが大半を占めていた。でも覚は、もうこれ以上一人で抱えきれないという表情だった。
昨晩、俺の話を最後までちゃんと聞いてくれた樹と覚。あれで自分がどれだけ救われたかを考えると、俺には聞かなくてはならない義務があるように思えた。

523バカは氏んでも名乗らない2018/02/17(土) 09:29:12.31ID:???
何が、見えたんだ?」
覚はまた少し黙り込み、覚悟したように言った。
「影…だと思う」
「影?」
「うん。初めは修の影だと思っていたんだ。お前の周りを…動き回る影が…3つ…いや4つくらい見えた」
全身にぶわっと鳥肌が立つのを感じた。どうかこれが覚の冗談であってくれと思った。しかし、今目の前にいる覚はとてもじゃないが冗談を言っているように見えなかった。
「あそこには、俺しかいなかった」
「わかってる」
「そもそも、あの場所に人が4、5人も入って動き回れるはずない」
あの階段は人が一人通れるほどの幅しかなかった。
「わかってる。あれは人じゃない。それに、どう考えても人じゃ無理だ」
覚はぽつりと言った。
「どういうこと?」
「壁に張りついてた。蜘蛛みたいに。壁とか天井に張りついてたんだ。それで、もぞもぞ動いてて、それで、それで…」
自分の見た光景を思い出したのか、覚の呼吸が荒くなる。

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